近年外国人を雇用する企業が増加傾向にあります。
街中でも外国人が働いている姿を見かけることは多いですが、どうして今、外国人を雇用する企業が増えているのでしょうか。
この記事では、日本で外国人を雇用する企業が増えている理由や、外国人にとって日本での就職が難しい理由、日本で就職を考えている外国人におすすめの職種や業界を紹介します。
日本で働きたいと考えている外国人の方は、ぜひ参考にしてみてください。
外国人を雇用する企業は増えてきていますが、それでも外国人が日本で就職するにはいくつものハードルがあります。
外国人の日本での就職が難しい理由には、どのようなものがあるのでしょうか。
2021年度に厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、日本で働いている外国人の数は約173万人です。[注1]
2016年度の外国人雇用者数は約108万人、令和元年は約166万人でしたので、ここ数年でかなり増加していることがわかります。
外国人を積極的に雇用する企業が増えた結果、外国人雇用者数が増えているのですが、どうして今日本の企業は積極的な外国人雇用に乗り出しているのでしょうか。
[注1]厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23495.html
少子高齢化社会の日本は、深刻な人材不足に陥っています。
日本の高齢化はこの先も進み、生産年齢と言われる15〜64歳の人口は今後も減少傾向にあるため、どのようにして人材を確保するかは企業にとっても日本の社会にとっても大きな課題です。
国内で人材を確保するには限界があることから、多くの企業が外国人材に目を向けています。
海外マーケットに進出する企業は年々増えています。
少子高齢化が進んで消費も縮小している日本で企業が成功するには、グローバル化は必須です。
現地でビジネスを成功させるためには、現地の言語が堪能で、その国の文化や商習慣を熟知している人材かつ、日本の文化や商習慣も理解している人材が求められます。
この条件を満たす人材として、外国人材を求める企業が増えてきているため、外国人を積極的に雇用する企業が増えているのです。
少子高齢化社会であることと日本の優秀な人材が海外に流出していることから、国内で優秀な人材を確保することも難しくなってきています。
そのため、国籍関係なく優秀な人材を確保する流れが生まれてきており、その結果外国人を雇用する企業が増えてきました。
エンジニアなどの技術職は語学力より技術力が求められるため、日本語が堪能ではない外国人でも活躍できる可能性が高いです。
新型コロナウイルスの影響でインバウンドは大幅に落ち込みましたが、そもそも2016年以降外国人雇用者数が伸びたのには、インバウンド対応できる人材への需要増加という背景がありました。
外国人の日本入国が緩和されつつある今、コロナ禍後のインバウンド対応を見据えて外国人の雇用を積極的に進める企業が再び増えてきています。
外国人を雇用する企業は増えてきていますが、それでも外国人が日本で就職するにはいくつものハードルがあります。
外国人の日本での就職が難しい理由には、どのようなものがあるのでしょうか。
母国語ではない言語を習得することは誰にとっても難しいことですが、日本語は習得がかなり難しい言語として知られています。
アメリカ国務省の外交官養成局が「英語を母国語とする局員が言語を習得するのに必要な期間」をベースにしてランク付けした言語の難易度(FSI’s Experience with Language Learning)で、日本語は最も難しい言語とされるカテゴリー4に分類されました。
漢字・ひらがな・カタカナという3種類の文字を使い分け、文法的にも英語をはじめとした言語とは大きく異なる日本語を習得するのは容易なことではありません。
しかし雇用する企業側は問題なく就労できる高い日本語レベルを求めることが大半です。
一定レベルとして、日本語能力検定のN1やN2レベルを設定している企業は多く、日本で働きたいと考える外国人にとっては、高いハードルとなっています。
どの国にもその国独自のマナーがありますが、日本のマナーに馴染みがない外国人にとって、日本独特のマナーは理解しづらいものかもしれません。
就職活動一つとっても日本のマナーは独特です。
履歴書や職務経歴書は決められた形式で手書きしなければなりませんし、就職活動の際の服装もみんなが同じようなリクルートスーツを着用することが求められます。
また、面接会場への入室や受け答えにも日本独特のマナーが存在し、どうすることが日本で問題ないとされるマナーなのか苦戦してしまう外国人は多いです。
外国人が日本で就職するためには、必ず就労ビザが必要となります。
日本に留学している外国人は留学ビザを持っていますが、就職するためには就労ビザへの切り替えが必要です。
留学ビザから就労ビザに切り替えるためには、留学時の専攻と関係のある就職先を見つけなければなりません。
企業が外国から人材を呼び寄せる際は、企業などビザスポンサーの条件をクリアする人がビザスポンサーとなる必要があります。
現在国内にいて在留資格があるかないかによっても手続きが異なりますが、申請作業には手間もコストもかかるため、積極的に採用に進めない企業も多いです。
外国人が日本で就職するにはさまざまなハードルがありますが、努力すれば就職は可能です。
どんな外国人が日本での就職に向いているのでしょうか。
日本で仕事をするのはもちろん、生活するうえでは、日本語は避けて通れません。
インバウンド対応で外国語に対応しているサービスやお店も増えていますが、日本でメインとなる言語は日本語です。
日本語が得意な人は、日本での就職に向いていると言えるでしょう。
日本の文化が好きという人も、日本での就職に向いています。
実際に就職すると大変なこともあるでしょうが、日本の文化が好きなら、生活のなかに楽しみを見出しやすいでしょう。
その文化に関連する仕事に就くこともできます。
生まれた国と日本では文化に大きな違いがあるはずです。
その違いを面白いと感じられる人は、日本での就職に向いています。
日本で生活する以上、日本の文化やマナーに順応しなければならないこともありますが、それを楽しいと思える人は、日本での仕事や生活にも馴染めるでしょう。
日本での就職を考えている外国人に職種や業界を紹介します。
これらの職種・業界は外国人を積極採用している企業が多いので、日本での就職を考えているならぜひチャレンジしてみましょう。
語学よりもスキルが求められる技術職は、積極的な外国人雇用を行っています。
日本で働く以上、一定レベルの日本語を理解していることは求められることもありますが、日本語が堪能ではなくても挑戦しやすい職種と言えるでしょう。
スキルが待遇にダイレクトに反映されるので、報酬面でも満足がいく就職が実現する可能性が高いです。
英語を学びたいと考えている日本人はとても多いため、日本での英語教師の需要は非常に高いです。
英語教師は求人数も多いですし、日本語が堪能でなくても問題ないことが多く、外国人でも挑戦しやすい仕事と言えるでしょう。
インバウンド対応として、外国人を採用しているホテルや旅館、ホステルなどは多いです。
コロナ禍で一旦落ち込んでしまったインバウンド需要ですが、落ち着けばインバウンド需要が高まると予想されます。
フロントスタッフなど、お客様と直接コミュニケーションを取る機会があるポジションは、一定レベル以上の日本語能力が求められるでしょう。
通訳や翻訳は、日本で働く外国人の多くが活躍している仕事です。
母国語を活かして仕事ができ、需要は言語ごとにばらつきがありますが、話者が少ない言語は需要があまりなくても通訳や翻訳業務ができる人材が少なく、採用される可能性は高いでしょう。
通訳や翻訳の場合は母国語が堪能であることに加え、高い日本語能力が求められます。
コロナ禍後のインバウンド需要の高まりを見据え、海外からの観光客に対応できるスタッフを募集している企業が多いのが観光業界です。
観光案内所のスタッフに外国人を置く企業は多く、インバウンドの最前線で外国人観光客と日本をつなぐ架け橋として活躍できます。
人と話すことが好きな外国人の方は観光業界での就職に挑戦しよう
日本で働きたいと考えている外国人の方で、人と話すのが好きな方には、観光業界がおすすめです。
世界各国から日本を訪れる外国人の方々が、日本での観光を楽しめるようにさまざまな方法でサポートするやりがいのあるお仕事です。
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