「オンライン観光案内」など
新たな取り組みもスタート
コロナ禍でも
前向きに進み続ける
「オンライン観光案内」など
新たな取り組みもスタート
コロナ禍でも前向きに進み続ける
私は2012年に本業務に携わり始めました。東京都庁や羽田空港の案内所を経て、2016年から東京観光情報センター・バスタ新宿に勤務しております。東京観光情報センターは、都内に5カ所ある観光案内所です。
今はバスタ新宿でリーダーとしてスタッフの教育やシフト調整、月報の作成といったオフィス業務に加え、案内カウンターで中国語・韓国語・日本語での案内を担当しています。業務の比率はちょうど半々くらいです。
新宿駅南口に直結した高速バスのターミナル「バスタ新宿」の案内所ですので、主に高速バスを利用されるお客様へ観光情報をご案内しています。案内所は、バスの降車場と同じ3階にあり、バスから降りたお客様がそのまま入ってきて、東京観光の情報を集めていかれることが多いです。
バスに乗車する前に目的地の情報を知りたい方へのご案内や、目的地を決めずにいらっしゃったお客様の観光プランの相談に乗ることもあります。
新型コロナウイルスが流行する前は、多くの訪日外国人旅行者が高速バスで日本全国を旅していらっしゃいました。数ある観光地の中でも、中国の方や欧米諸国の方に特に人気が高いのが富士山です。バスタの案内所でも、富士山が望める河口湖行きの高速バスに乗車されるお客様をご案内する機会が非常に多くあります。そのため、現地に出向いて周辺情報を自分の目で確かめることもしました。
東京観光情報センターに入社する前は、事務職を幾つか経験しました。語学留学して身に付けた韓国語と中国語を活かせるお仕事を探していたとき、観光案内の仕事に興味を持ちました。
韓国語を学び始めたのは、2002年のワールドカップで韓国チームの横断幕に書いてあった韓国語の意味をどうしても知りたくなり勉強を始めたのがきっかけです。その後1年間韓国に留学しました。しかし、日本には流暢な韓国語を話される在日韓国人の方も多いため、なかなか韓国語を活かせる仕事に巡りあえませんでした。
そこで、今後需要が伸びてくると予想した中国語も習得することにしました。中国には2年留学し、帰国後の2012年に働き始めました。
高速バスは、インバウンドのお客様にも大変人気がありました。コロナ禍以前は、ここバスタ新宿でも訪日外国人と日本人のお客様がちょうど半々くらいでしたが、新型コロナウイルスが流行し始めてからは、ほとんどが日本在住のお客様となりました。
特に、桜が咲く時期の3〜5月が繁忙期で、外国人のお客様が案内所内にずらりと並んでいらっしゃったことが懐かしい思い出です。
幾度か案内所が休業となることもありました。休業中は、オフィス業務に専念したり、オンライン観光案内など新たな取り組みの準備に力を入れたりしていました。
コロナ禍で、高速バス利用者や、案内所に立ち寄ってくださるお客様が減りましたので、カウンターでのご案内は少なくなりました。
一方で、都内の施設の営業状況や高速バスの運行状況が頻繁に変更されるようになり、情報の調査や更新はこれまで以上に頻繁に行うようになりました。
営業を再開したり、営業時間をもとに戻したりするタイミングも施設によりさまざまです。ホームページの情報が最新ではない可能性もあるため、1件ずつ電話で確認するようにしていました。
骨の折れる作業ではありますが、私たちの確認不足が原因でお客様に誤った情報を伝えてしまっては大変です。皆さまに快適に東京を旅していただけるよう、常に最新の情報をチェックして準備しています。
接客の合間に、清掃や換気をこまめに行うようになりました。私たちが清掃や消毒をきちんと行っているところを目にすることで安心されるお客様もいると思いますので、営業中も含め、1日3回ほどアクリル板を拭いたりカウンターを除菌したりしています。
衛生に対しては、かなり細かなところまで気を配っていますね。お客様の中には、自分自身の手を除菌されることはもちろん、私たちスタッフの手も清潔かどうか気にされる方もいるようです。
パンフレットを手渡しする際に、お客様の目の前でスタッフが手を消毒しているところを見せてからお渡しするなど、安心してご利用いただけるように工夫を凝らしているスタッフもいます。
コロナ禍をきっかけにオンライン観光案内が始まりました。このオンライン観光案内は、案内所のスタッフがオンラインで観光情報をご提供できるサービスで、新型コロナウイルス収束後も訪日外国人観光客を中心にご活用いただけるサービスだと考えています。
なかでも日本から遠く、日本の情報を入手しにくい方たちの旅マエのご準備に役立てていただきたいです。日本の気候や適した服装、空港から目的地までのアクセス方法などを聞いていただき、訪日前の心配を少しでも解消できるようお手伝いできたらいいなと思っています。
旅ナカでのご相談にも使っていただきたいです。日本の電話番号を持たないインバウンドの方でも、オンライン観光案内ならホテルのWi-Fiを利用して気軽にお問い合わせいただけると思っています。
コロナ禍以前は、この案内所で自分の言語が使えるとわかると、滞在中に毎日のように立ち寄ってくださる方も多くいました。そうした方たちが、ホテルからオンラインでお問い合わせいただけるようになれば、日本滞在中の時間を有意義に使えるようになるのではないでしょうか。
コロナ禍になってからも、業務で一切外国語を使わないわけではありません。特に、英語を使う機会は今でも結構あります。英語圏の方は、日本に住んでいても英語を使い続けられる方が多い印象です。
バスタ新宿でも、中国語や韓国語に比べれば、少しずつ英語でご案内することが増えてきています。資料を作成するときにも英語を使うことがあります。
苦境に立たされている観光業界ですが、もし悩んでいるのだったら、一度チャレンジしてみてほしいです。コロナ禍も永遠に続くものではないと思いますし、いずれお客様は戻ってくると信じています。
観光がまた盛り上がれば、お客様からうれしい言葉をいただける喜びも戻ってくると思います。応募を検討している方には、そのときまで一緒に頑張りましょう!とお伝えしたいです。